第13章 熱中症注意
ーーー……
「……っ」
鈴音が目を覚ますと既に夜だった
窓から月明かりが部屋を照らす
「起きたか」
声をかけられ、そちらを向けば八千代が机に向かって仕事をしているようだった
ここはまだ神殿
わざわざ仕事がしやすいようにと帳が組み立て式の小さな机を持ってきていたのだ
「八千代さん…すみません、私また途中で意識が…」
「いい。だいぶ無理させたからな。それより体を冷やしてないか?ここは少し涼しい」
裸のまま横になり、着物をかけられてはいるが確かに少し寒い
それでも暑いよりはましだった
「大丈夫ですが、少し喉が渇きました」
「茶を用意してある。夕食もだ」
「えっ!?」
鈴音が驚きの声を上げると八千代は困ったように笑う
「つい先ほど帳と桜が来て置いて行った。桜にはお前に無理をさせるなと忠告された。帳はちゃっかり仕事の進み具合を指摘していたな」
「そ、そうだったんですね…」
鈴音はかぁっと顔が熱くなるのを感じた
「それより早く食え。ここでは直ぐに冷めてしまう」
「はいっ。いただきます」
まだ温かいお茶と食事をいただく
疲れた体に優しさが染み渡るようだった