第11章 媚薬の熱
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日が暮れ、月が上り、再び空が明るくなり始めても鈴音の喘ぎ声が響いていた
「あっ…あぁっ!!」
交わり続け、鈴音の意識は朦朧としていた
それでも八千代は突き上げ、中をかき回し、何度目かの欲を吐き出した頃
「んっ…熱い…もぅ…無理ぃ…」
鈴音の体から力が抜ける
そのままダラリと倒れ込むと、意識を失ったかのように一瞬で寝てしまう
やっと満足したようだった
ベタベタの胸が規則正しく動くのを見て、八千代は自身を引き抜く
八千代も既に限界だった
「くっそ…。そんな追い詰められたような気分で抱くのは二度とごめんだ」
大きなため息を吐く
体を拭いてから着物を着ると、喉の乾きを潤す為、勝手場に向かう
まだ他の者は寝ているのか、辺りは静かだった
だが…
「おや、おはようございます。八千代様」
廊下の先に紫村の姿があった
その顔には消せない笑みを浮かべている
朝から会いたくない男に会ってしまった
「よくも俺の前に姿を現せたもんだな」
「そう怖い顔をしないで下さいよ。私は医師です。己が作った薬の効果を確認するのは当然でしょう?」
ふふふっと不気味な笑いが響く