• テキストサイズ

交わりの祠【R18】

第10章 病に勝つのは





ドサッと横になれば、すぐに八千代が覆い被さってくる


重なる唇は熱を持ち、簡単にとろけてしまいそうだ


それなのに…



「……なんだか嫌な予感がするな」



顔を上げた八千代は眉間にシワを寄せた


バタバタと近づいてくる足音が原因だろう


いい雰囲気はすぐにぶち壊されていた



「失礼します、八千代様!」



襖の向こうから声がして八千代は体を起こす



「なんだ騒々しい」


「申し訳ございません。本土へ偵察に向かわせていた者が戻って参りました。至急八千代様にご報告を、との事です」


「わかった。すぐに行く」



小さくため息を漏らし、八千代は困ったように笑った



「悪いな。ちょっと行ってくる」


「いえ、私の事はお気になさらずに」



八千代の邪魔はしたくない


鈴音は笑顔でその背中を見送った




まさか数日間その顔が見れなくなるとは夢にも思わずにーー



/ 233ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp