第9章 二人のこれから
鈴音と八千代は共に祠の結界強化の為に出会い、交わり、愛が芽生えたのだ
鈴音はあまり知識が無かったが、普通は恋人になってから体を重ねるのが一般的なような気がしていた
もちろん、そんな事誰にも聞けないが…
「奏月たちの出会い?あまり気にならねぇが、奏月はあぁ見えて腹黒いからな。周りから固めて罠にはまった彼女を捕まえたんだろ」
「……そこだけ聞くと、薫さんの将来が不安になります」
「お前は俺の事だけ考えていればいいんだ」
ちゅっと唇が重なる
角度を変えて何度も攻められ、更には深くなる
またしても脳がしびれそうになった時、鈴音は八千代の胸を叩く
「なんだよ。嫌なのか」
不満そうな声を出した八千代に慌てて否定する
「ち、違います。八千代さんに渡したいものがあって」
「渡したいもの?」
そう言って鈴音が取り出したのは赤い紐だった
それは細く、十センチ程しかない
「紐…か?」
「はい。これは昔からうちの村に伝わる習慣で、夫となる人に贈るのです」
婚約した女は真っ白な糸を用意し、編んで紐にする
それを赤く染め、二つに切り、端がほつれないように樹脂で固めれば完成だ