第4章 選別試験
「よう」
朔馬は軽く手を挙げて、こちらに声をかけて来た。
「どうも」
私は、無難に返事をする。
「お前、独りか?」
「まあ…」
「さみしくねぇの?」
…さみしいっていうか、知り合いいねぇし⁉︎養成所入るのに、知り合いって必要なの⁉︎
何?この子。大丈夫?
「え?なんで?」
内心、相当驚きながらも、なんとか平静を装う。
「だって、ずっと俺見てたじゃん?」
じゃん?じゃねぇよ‼︎
見てないよ!
「はっ⁉︎「ナルシか!お前!」」
うん、そうだ。
…じゃなくて、私の心を代弁してくれたのは誰よ?