第16章 土曜日の勉強会。
―月島Side
休憩をはさむために声をかけると、夏蓮は気が抜けた声を出して、伸びをした。
スカートから延びる、白くてきれいな足に目を奪われてしまう。
夏蓮はほんとに…。
「無防備だよね。」
言葉と行動は同時だった。
僕は夏蓮を組み敷いた。
「ちょっ…け、い?」
「僕も、男なんだけど。」
「あのっ…」
おびえている様子ではない。
ただ、驚いている感じ。
「ここ、僕の家だよ?男の家に上がり込むのに、その格好はやめたほうがいいんじゃない。ましてや、彼氏がいるのに。」
「蛍は、そんなこと、しないよ?」
「わからないでしょ?」
「でも…おしゃれそうな蛍に少しでも可愛く見られたら、嬉しいなって…。」
意味が分からない。
菅原さんが彼氏なのに、僕に可愛く見られたいだなんて。
ずるいのは、僕だけじゃない。
この子も、ずるい。
「お昼。食べに行こう。」
夏蓮の体をそっと起こしてあげると、僕は財布をポケットに入れた。