第16章 土曜日の勉強会。
―夏蓮Side
土曜日の朝
私は、Vネックの白いシャツに水色のギャザースカートを着て蛍の家まで来ていた。
ただ勉強をするだけなのに…。
デートか!!!
と思いつつ、おしゃれそうな蛍に負けないように、おしゃれをしてみた。
インターフォンを鳴らすと、すぐに蛍が出てきてくれた。
「ぷっ…。今からデート?」
「なっ!!!」
今、まさに私が思っていたことをズバッと言われてしまった。
…悔しいけど、何も言い返せない。
「まぁ、似合ってるんじゃない。」
蛍が背中を見せたと思うと、そう、ちょっと信じられないような言葉が降ってきた。
「あっ、ありが…とう…。」
さすがに、恥ずかしい。
蛍が後ろを向いてくれていてよかったと、心の底から思った。
それにしても…、やっぱり蛍はかっこいい。
黒のジーンズに白いパーカーを着ただけのラフな格好なのに着こなしてしまう。
それから、蛍の部屋まで案内されて勉強を始めた。
蛍は勉強の教え方が上手で、覚えやすかった。
…これでわからなかった日向くんと影山くんは、相当…その…ね?
「ちょっと、休憩しようか。」
「ふぅ…」
一息ついて時計を見ると、12時30分を回っていた。
「うわ、時間結構たってたね!」
「そうだね。っていうか…無防備だよね。」
伸びをして蛍を見ると、急に視界が一転した。