第16章 土曜日の勉強会。
―月島Side
ピッ
電話の繋がりを切る、機械音を聞いて嬉しさと虚しさが同時に押し寄せる。
僕は、ずるい。
彼女には、もう菅原さんがいる。
それでもどこかで僕の隣に来てもらえる日が来るんじゃないかと、そう思いながら誘ったんだ。
僕の家に、二人きりの空間を作るために。
そんな虚しさ。
でも、それがチャンスで、それを受けてくれたことへの喜び。
何としても、モノにしたい。
時々思う。
僕は、なんでこんなに必死になっているんだろうかと。
部活だって、たかが部活だと割り切れる。
勉強は、別に頑張らなくたってやってればできる。
でも、夏蓮だけは、頑張らないとどうにもできない。
僕なんかに釣り合わないことなんて知っているのに、どうにもならない思いもある。
あぁ、明日が楽しみで仕方ない。