第13章 一緒に帰ろう。
菅原Side
付き合い始めたものの、付き合ってます!っていうようなことは全くしてない。
二人で帰ったこともなければ、まだデートもしてない。
まぁ、数週間しかたってないし、部活ばかりで暇もないんだけど。
でも、ほら…帰りくらい一緒にかえりたい。
男なら送って行けって…?
そうしたいのはやまやまだけど、送っていくっていうと月島と方向が一緒だからって、行ってしまう。
だから、今日こそ勇気を出していってみた。
二人で帰りたいと。
でも、
「すみません…。しばらく用事があって。」
と、清水と帰ってしまった。
彼氏の俺よりも優先することがなんなのか、そんなに大事なようなのかって、
言葉が出そうになるけど、すべて飲み込んだ。
楠に伸ばした手が、力一杯空気をつかんだ。
本当に付き合ってるのかな…って、悔しくなる。
言いたくないけど、月島のほうが彼氏っぽい。
雰囲気とか、いろいろと。
そんな、ちょっともやもやした気持ちのまま、インターハイ予選の前日になった。
「俺からは以上だ。今日はよく休めよ。」
「はい‼」
そんな一言で、あっけなく部活が終わる。
こんな気持ちのまま、インハイ予選に出たくない。
「よし!じゃあこれで」
「ちょっと待って!もうひとついいかな!?清水さんと楠さんから!」