第12章 嫉妬。
月島Side
「俺の彼女に何か用ですか?」
そういった菅原さんの顔は、嫉妬そのもので、‘彼氏’の顔をしていた。
その隣にいるのは、夏蓮。
いつの間に?
いつもなら、それだけだったのに。
すごく、嫌だ。
そこに、夏蓮の隣にいるのが僕じゃないことが。
隣にいた山口を見てみると、菅原さんと同じ嫉妬の表情をしていた。
それだけじゃない。悲しいような、寂しいような。
そんな複雑な表情。
そして、ふっと笑うと、僕に向かって一言言った。
「俺がどんな表情してるのか、自分でわかってるよツッキー。でも、同じ表情してるよ。」
僕、こんな顔してるんだ。かっこ悪い。
同時に気づいた想いがある。
友達なんかじゃない。好きだったんだ。
僕のとなりにいてほしかったんだ。
多分、山口も。
「へぇ、おめでとう。」
そんな心にもない言葉を告げて、夏蓮の横を通り過ぎて行った。