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ほたる。

第11章 一つの選択。


夏蓮Side

ロードワーク中に、日向君がいなくなったとのこと。
まぁ、気合が入って勝手にどこかに走って行っちゃったんだろうけど。
走りながら、苦笑いを浮かべていると、日向君らしき人が立っているのが見えた。
だれかと…話している?

真っ赤なジャージで、全体的に金髪だけど、生え際だけ黒髪の男の子。

「強いと思うよ。」

「っ…‼」

私が着いたとき、ちょうど赤ジャージの男の子が言った言葉に、圧倒されてしまった。
日向君が興味をもって話しているから、おそらくバレーのことだと思うけど…

「どこの…学校…」

「研磨!」

きっと、日向も…珍しく少し圧倒されたのかもしれない。
学校名を聞こうとすると、同じ赤ジャージで黒髪の、長身の男の子が歩いてきた。

「…と、そこのかわいいお嬢さん。帰るぞ。」

「え?あ、はい‼」

日向君と、一緒に話していた男の子がやっと私に気づいたようで、視線が私へと向いた。

「楠はうちのマネージャーだからやらねーぞ‼」

あぁ、ノリではい‼とかいっちゃったけど、違う!私の帰るところ違う!

「違う、ごめんね、日向君。つい…。」

「いくぞ、楠‼」

少し怒っているような日向君の背中を追いかけようとすると、手首をつかまれた。
振り返ると、あの金髪の男の子。

「孤爪研磨。」

「え…?あっ、楠夏蓮です。」

「ちなみに、俺は黒尾鉄朗です。」

「よろしくお願いします。」

「ん。またね、夏蓮、翔陽。」

孤爪さんと黒尾さんにお辞儀をすると、孤爪さんにあたまをぽんぽんと撫でられた。
にこっと笑って失礼します、とその場を去った。

「で、日向君、いま何してたか知ってる?」

「??やべっ…ロードワーク中だった‼‼」

そしてまた、私を置いて急いで帰る日向君の背中を苦笑いで追いかけた。
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