第10章 初合宿。
夏蓮Side
たまには素直になってみようかな、なんて想って、菅原先輩にかっこいいと告げてみた。
けど、すごく恥ずかしかった。
菅原先輩には、お礼は言われたけど、からかわれもした。
やっぱり、顔赤いよね…。
布団は菅原先輩が運んでくれた。
まぁ、そのために来てくれたんだけど。
ここでも、やっぱり男の子を感じる。
だって、大きい布団を軽々と持ち上げてしまう。
私は枕と自分の荷物だけ持って、菅原先輩に付いて行った。
「ぐっじょぶ大地さああああああああん!!!!」
「ぐっじょぶすがわらさああああああん!!!!」
「ばかじゃないの…。」
雄たけびを上げるのは、言わずもがな。
田中先輩と西谷先輩だった。
それにあきれるのは蛍。
でも、なんだか表情は柔らかい気がする。
なんだかんだ、楽しいのかもしれない。
「僕も一緒に寝ることになったから、宜しくね、田中くん、西谷くん。」
そして、どことなく黒い影を落としながら先生もやってきた。
あぁ、きっと先生の標的になってるんだな。
まぁ、潔子先輩に対してのあの行動があるから…当たり前と言えば当たり前か。
「おまえら、布団を右端に寄せていくぞ!で、左端に楠の布団を敷くから。」
澤村先輩の声掛けで、布団の移動が始まった。
「なんだか、すみません。」
「気にすることないんじゃない?別に、夏蓮が来て落ち込む人なんかいないデショ。」