第10章 初合宿。
みんなに謝る私に近づいてきたのは、蛍だった。
それに気づいた菅原先輩も寄ってくるけど、蛍は気づいていないようで、私の頭をなでようと手を伸ばしてきた。
私も、頭をなでられること事態は嫌いじゃないから、それを受けようとするけど、菅原先輩が蛍の腕をつかんで阻止していた。
「菅原さん…。なんですか?」
「いや、…別に。」
二人は、睨み合っているわけではないけれど、お互い視線を絡めたまま、そしてお互い手をよけようともせず…。雰囲気はいいとは思えなかった。
どうしようかと考えていると、蛍は反対側の手で私の頭を撫でた。
「あっ!月島…お前なぁ…。」
「何も問題はないですよね?菅原さんの彼女じゃないんですし。」
蛍のほうが上手だったらしい。
蛍は勝ち誇ったような顔をして、自分の布団へと戻って行った。
菅原さんはと言うと、なんだか、複雑な顔をしていた。