第10章 初合宿。
「うおおおおおおお!」
調度すべてが終わったころ、みんなが帰ってきたらしい。
日向君のテンションの高い声…というか、おたけびというか…が聞こえてきた。
「夏蓮ちゃん、迎えに行ってきてくれる?私は先生と盛り付けしておくから。」
「はい!お願いします。」
潔子先輩に言われ、向かうは玄関。
「おかえりなさい!お疲れ様です。」
やっぱり、合宿と言えど、‘おかえりなさい’は落ち着くんじゃないかと思って言ってみる。
と、落ち着くというか…なんというか…。
田中先輩と西谷先輩は泣きだし、菅原先輩と山口君は顔を紅くしていて、蛍は眉間に皺を寄せていて、日向君は感激していて、旭先輩と澤村先輩はそれをにこやかに見ていて…。
逆に落ち着かないような…。
「一日中むさ苦しい連中と顔付き合わして何が楽しいのさ。」
テンションの上がる日向君に、一言告げる蛍。
むさ苦しいって…。私や潔子先輩もいるのになんかショック…。