第9章 日曜日の急接近。
「はははっ。ドンマイ及川。」
俺の方にポンッと手を乗せるのは、主将君だった。
「ま、好き嫌いとかじゃなくて、菅原のあんな顔を見てられなかったんだろうな。」
あぁ、そういうこと。
今回は俺の負け。か。
…及川さんに負けはない!!
絶対、取り返してやる!
「及川も頑張れよー。」
「何を?」
「何をって…好きなんだろ?うちの楠が。」
「…は?」
徐々に顔に熱が集まっていくことが自分でもはっきり分かった。
自分らしくもない。
気づいていなかった。
‘君も好きってところかな’
‘取り返してやる’
そんなことを想うのは、君を、想っているからだって、今気が付いた。