第9章 日曜日の急接近。
なんでこんなところに二人でいるのかは知らないけど。
…あ、もしかして…二人は…!
「…なんて…。彼女の手を取ってるあたり、そんなんじゃないよね。」
ぼそっとつぶやく俺を見上げる彼女。
あぁ、そんなところも可愛い。
そして、君も好き、ってところかな?
「何?今俺たちデート中なんだけど?」
にこやかに、そして見せつけるように夏蓮ちゃんと肩を組んだ。
「っ…!」
顔をゆがめる爽やか君…いや、いまは爽やか、なんて雰囲気纏ってないか。
「及川さん、今日はこれで失礼します!」
「…え?」
「いきましょう、菅原先輩。及川さん、また連絡しますね。」
予想外だった。
夏蓮ちゃんは俺との手を放して、爽やか君の手を取って歩き始めた。
別に怒っているわけでは無さそうだったのに。