第7章 お約束。
月島said
バスに乗り込み、席を二つとった。
そして、夏蓮を手招きしてして呼び、空けた隣の窓際の席に誘う。
とくに遠慮する様子もなく座る夏蓮。
「行くの?」
「えっ?」
「日曜日。」
「あぁ…。迷うね。及川さん、かっこいいし、人生において一回くらいイケメンとデートしてもバチは当たらないかな、と。」
別に、デートに行くからと言って悪いことはないし、僕には関係ない。
けど、ストレートに
イケメンとデートしたい
その願望を聞くとなんか落ち込む。
どうせ、僕はイケメンじゃない。
及川さんに叶うわけなんてない。
僕じゃ、役不足。
「ちょっと。スマホかして。」
「なんで?」
「はやく。」
でも、これだけは。
これだけは、いいでしょ。
僕だって友達なんだから。
「これ、僕の番号とライン。何かあったら連絡して。ちなみに、君から連絡してくれないと、僕は登録してないから。」
それだけ言って、ヘッドフォンを耳に着けた。
なんて、ズルいんだろう。
僕の連絡先を登録しなかったのは、
そうすれば、夏蓮から連絡をしてもらえるから。
別に、ただの友達なのに。
どうも、人にとられたくない。