第7章 お約束。
山口side
後ろにいたから、聞こえてしまった。
ツッキーと楠さんのやり取りが。
ツッキー、絶対嫉妬だよね。
でも、そんなこと言ったら、絶対怒る!
好きなんだろうな。
だって、一人の女の子に執着するツッキーは珍しい。
ライバルがツッキーかぁ……。
俺は、ちゃんとあの時恋をしたから。
楠さんを追いかけて屋上に行ったあの日、あの時に。
太陽に照らされて艶めいて、風に吹かれてなびく髪。
振り向き様に見せた表情が、すごく綺麗だった。
あの時の楠さんが、頭から離れなくて、恋をしたと気づいたんだ。
うーん…
最近、女子に話しかけられるとツッキーのことばかりだからなぁ。
俺の恋は、ちょっと厳しいかも。