第4章 翌、土曜日。
月島side
楠さんが僕を避けているのは一目瞭然。
だから、僕からも声はかけなかったけど。
避けていることを知っていて僕はあえて、楠さんに手を出した。
無言で、睨まれながらだけど一応ドリンクとタオルはくれた。
楠さんと、ちょっとでも距離を縮めたかった、なんて僕らしくもない。
楠さんの態度になのか、僕の気持ちになのか…なんだかわからずにムカついているけど、そんなことには構ってられない。
第ニセットが始まる。
何度もブロックを跳んで、
点数も追い付いて、追い抜かれて、追い抜いて。
きりがないし疲れるけど、ちょっと負けたくない。
手抜こうかとか言ったことすら忘れていた。
そして、そこに楠さんがいることにも気づかず、着ていた上着を脱ぎ捨てた。