第3章 そしてけんか。
…と、イライラし始めた私は静かに口を閉じて、3人の会話を聞いていた。
「手、抜いてあげようか?」
「おおっ本当だ!」
「コート上の王様って呼ばれるとキレるってウワサ」
「すごくピッタリだと思うよ‘王様!’」
でも、にこやかに月島くんの口から出る言葉は、私をイライラさせるだけだった。
王様と呼ばれる人に何があったか知らないけど、
ひねくれてるのと、傷口えぐる悪口は別だと思う。
…それに、頑張ってる人に手抜いてあげようか?なんて、失礼極まりない。
私はそんな月島くんを見ていたくなくて、一人で先を歩んだ。
山口くんが気づいて止めてくれたけど、
そんなことに今は構っていられない。