第2章 土曜日の試合。
菅原side
一目惚れ…って、信じる?
俺は、今日仮入部に来た月島の後ろから、
ひょこっと顔を出した女の子に目を奪われた。
月島よりも、俺よりも小さい身長。
まぁ、女の子は大抵そうなんだけど…
キラキラしてる目も、小さな唇も、さらさらした髪の毛も…
すべてが俺の心を奪っていったんだ。
なんて可愛い子なんだろうって。
俺自身、一目惚れなんて信じない質だったから、ちょっと驚いてる。
練習は、彼女に見られてるんだから、当然はりきる。
いいところ、見せたいじゃん?
部活の途中で、楠さんがいなくなったことは気づいてた。
だから、休憩中に聞いてみたんだ。
菅「おーい、清水!あの子、楠さん、どこ行ったかわかる?」
清「入部届書くからって、先に上がった。」
ありがとう、と一言添えると、走って一年の教室に向かった。
だって、少しでも長く、そばにいたい。
…いてほしい。
だから、部活になにがなんでも入ってほしい。
完全に俺のエゴだけど…。
あれ、そう言えばあの子ってなん組だ?