第20章 急接近
―谷地Side
「つ、月島くんっ…!」
「…なに?」
恐れ多い…!
と、思いつつも、せっかくマネージャーになれたんだから、
少しくらい話したって…、いいよね?
「ちょっと、お話がありまする…。」
「…ありまするって…。」
ふっと、噴き出す月島くん。
あっ…、私、こんなに近くで笑った月島くんを見たのは、
自分に向けて笑ってくれたのは、初めてだ。
ただそれだけで、心が暖まっていく。
「少しくらいならいいけど。」
「あっ、ありがとう…!いたっ!!!!」
「ぷっ…、」
喜びの余り、勢いよく頭を下げると、机におでこをぶつけてしまった。
痛いけど、月島くんが笑ってくれるなら、それでいい。
私たちは、誰もいない空き教室を探して入った。
というのも、暗殺者に狙われる恐れがあるので、なるべく人目につかないところを所望したのでありますっ!!
…なんていうのは言い訳。
どうしても、二人で話したいことがあったから。
あの日、日向に勇気をもらったから。
あの日、夏蓮ちゃんに勇気をもらったから。
私も、村人Bだって、主役になれる。
「ずっと、好きでした…!じゃ、なくって…!今も、好きですっ…。」
胸が鳴り響く。
月島くんの顔なんかみれなくて、目をつぶって、ただただドクン、ドクン、という音を聞いているだけだった。