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ほたる。

第19章 雛鳥。



「バレーのことは皆さんより知らないですけど…。まだ高校生で、伸びしろのある選手に空中戦が無理だと、そう伝えるのがコーチの仕事なんですか?

菅原先輩は、チームのことを想ってあの速攻を軸に…と言いました。じゃあ、選手として日向くんはそれしか攻撃ができない人でいいんですか?

選手が、後輩が、「伸びたい」と、そう告げている気持ちは、チームのために押し殺せと…?絶対にできないというんですか?…あの誰にもできない早い速攻ができたのに。

影山くんは、あの速攻に意思は必要ないと…そういいました。でも、それって、ただの独裁者じゃないですか。まるで、横暴な王様です。ただ黙って俺の打つトスを討っていればいいんだと、ただ命令してるだけじゃないですか。

じゃぁ、その速攻が使えなくなったら日向くんは、チームはどうするんですか?私は、その速攻のままでは全国になんていけないと思います。

無理だと告げることがコーチならば、そんなコーチは必要ない。
セッターが独裁者ならば、セッターはいらない。
少なくとも、数か月ですけど…私の見てきた烏野は、もっと雑食でした。」

私の意見を聞いて押し黙る三人。
そんな中、ずっとうつむいて聞いていた日向くんが口を開いた。
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