第18章 恋する気持ち。
―仁花Saide
「谷地さん!マネージャーやる!?よね!?」
「あっ、えーっと…」
「へい、1年ガール。」
「君、是非バレー部に入ってくれたまえよ。」
「君がいると、潔子さんがよくしゃべる。…そして、夏蓮さんがめちゃくちゃ輝く。」
日向、そして二人の先輩に誘われ、いつの間にか私の周りにバレー部員が集まっていた。
「い…いえ、その。嬉しいです。私、自分から何かやったりとか、逆に何かに必要とされることってなかったので。劇とかやっても、村人Bとか、木とかの役なんで!!」
だから、清水先輩と夏蓮が必死に誘ってくれてうれしかったんだ。
だけど、悩みだってある。
お母さんが…、いや、自分が踏み切れないんだ。
翌日は練習試合だった。
手伝いをさせてもらって、大変さを知った。
そして、清水先輩と夏蓮が言っていたように烏野は強かった。
「私、見てるだけで…こう、」
「ぐわあああってきた!?」
「きた!」
「じゃぁマネージャーやって!」
試合後に日向がやってきて勧誘してくれた。
自分でも意味不明な会話だと思った。
こんな私を何度も誘ってくれて、本当にうれしい。
「でも、こんなすごい部で、私なんか足でまといになるs」
「そういえば俺もやったことあるよ!村人B!!んで、主役より目立とうとして怒られた!」
「村人B…。」
ふいに、日向が言った。
昨日の会話の続きだと思う。
日向が、村人Bなんて、とても以外で驚いてしまった。
それに笑う影山君に突っかかっていく日向。
「月とか。」
「くそっ…かっけえ」
「俺は馬とかやったなぁ…。」
影山君自身、かっこいいと思っているのか、自信満々で言っていたけど…。
月島君同様にその役いるのかなぁ…?なんて私も思う。
でも、何となく影山くんらしいかも。
旭先輩も声をかけてくれた。
みんながみんな主役を張っているわけではないのに、
ここでは、一人一人が主役だった…。