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ほたる。

第2章 土曜日の試合。


月島side

「ぷっ……」
「ヅラ!?」

教頭のヅラ吹っ飛ばすって。
なかなかの一年だよね。

僕と 楠さんの声が被る。
不思議と、ウザいとは思わないんだよね。

「盗み聞きなんて、趣味悪ーい。」

でも、嫌みのように伝える僕は、
本当、ひねくれてる。

自分で思うよ。

「そんなつもりじゃないもん!!で、教頭ってヅラだったの??」

蛍「なに?知らなかったの?あんなの誰でも気づくでしょ。」

いつからこんなにひねくれるようになったんだろう。
ちょっと損だよね。
山口と楠さんが話しているのを聞き流しながら
小説を読んでいると、会話は部活の話になっていった。

「二人は何部にはいるの?身長高いし…バスケ?」

蛍「バレー」

「バレー!かっこいいよねぇ」

なにがカッコいいの?
でも、気分は悪くない。

山「 楠さんは何部か決めたの?」

「いや、まだ…」

山「えぇ!?はやく出さなきゃまずいよ!今日までじゃない!」

「うーん…とくにやりたいことはないし…」

蛍「バレー部のマネージャー、とかやれば?別に、君なら邪魔にならなそうだし。」

「えっ…!?…月島くんと山口くんと一緒も、楽しいかもね…!!」

山「それいいね!」

僕、何いってるんだろ。
なんで誘ってんの?
別に、楠さんが何処に入ろうと勝手なのに。

意味のわからない自分にちょっとイライラするけど、

彼女のとびきりの笑顔でそんなものは消えていった。

なんだ、カワイイじゃん。

ただのバカだと思ってたよ。

顔に熱が集まることが自分でもわかって、
目線を窓の外に移動させた。
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