第5章 可愛げのあるドジと海上オークション
どうやらホールさんは海陸追跡班の癖で
テイクオフと言ってしまったらしい
フィルさんはあっという間に情報機器を元に戻し
エリオットさんもすぐに片付け終わったが…
オリヴァーはそうはいかず
約300個しかけた小型爆弾で
破壊された物が多すぎて
ずっと1人で修理をしている
でも「2週間寝ないよりはマシだ!」
と言っていた…
そして、特に大きな仕事もなく日々が過ぎ
オリヴァーは全ての修理を終えた
「今回は早かったですねオリヴァー」
「たった1週間ですよ〜!
しかも睡眠や休憩もとっているのに!」
それが普通だと思うけれども…
オリヴァーは普通の定義を破壊している
すると、ドアが開きホールさんが帰ってきた
「丁度よかった、みんないるね?
新しい仕事が入ってきたんだ
今回もペアでお願いしたいんだが…」
「俺は… パスで…」
ぐったりとしながらオリヴァーは呟いた
「オリヴァーは前回仕事したから免除だ
フィルかエリオットになるね…
…あぁ、ティナは新入りだから
慣れてもらうまで連続で仕事が入るんだ。
すまないね。」
むしろ休憩期間があったから
連続で仕事をしても問題無い
「分かりました。大丈夫です。
ちなみにどんな仕事ですか?」
「場所は海に浮かぶ豪華客船になる
そこに世界中の大金持ちが集まって
オークションが開催されるんだ
そこでターゲットを探し出して
ZI7の情報を聴き出して欲しいんだ」
ZI7…!?
元ZI7の人なら私、殺されそうだな…
それとも単に知っているだけか…?
「ZI7って… ネシスに聴きゃいーだろ」
「ネシスが口を割らないからこうなったんだ
俺だってこれでも粘ったんだよ」
本当にみんな疑っているんだ…
「ターゲットが誰かわからないのが面倒ですね…」
「そうなんだよ
だからエリオットが適任だと思うんだ
どうだい?」
「人を殺さない仕事なら大丈夫ですよ〜!
そんなわけで、ティナ〜
よろしくお願いします!」
満面の笑みで
こちらに握手を求めてくるエリオットさん…
イケメンは罪深いですよ…
「こちらこそです…
よろしくお願いします。
頑張りましょう!」
私はエリオットさんの手を握る
あっ、意外と大きいんだな…
男の人の手って感じ…
って、私が女だから小さいだけか…