第13章 Party Next
「ティナ、動くんじゃねーぞ」
「じっとしててくださいね〜!」
「お守りしますからね…♪」
イビルだとわかった瞬間
オリヴァーとエリオットとフィルは
私を囲うように立つ
…このままじゃただのか弱い女の子じゃん
「私が狙いなんでしょう
でもお前には攫われない」
どこかで聞いているだろうイビルに放つ
「へぇ… 王女様は守られてるのかと思った
アステルの909にいると思えば
次はクロスのlexxにいるし」
えっ…?
イビルはアステル最高官と
クロス総司令官の事知ってるの…?
「まぁ、いいよ 連れていくだけだし
あとさ、そこにいる黒髪の男
助けたかったら頑張って」
「おい、せめて助け方くらい教えたらどーなんだ」
「…ガラス壁の迷路ですよ
入り口は四方向にあります
どれか一方向のみ
中央のホールさんに辿り着けます」
「えぇ!?
なんでフィルわかるんですか〜!?」
そうか…! フィルは…!
「そうそう、ここに僕から逃げだした奴がいる
優秀な情報員だったけどねフィル」
「「フィル…!?」」
オリヴァーとエリオットはとても驚いている
…無理もない
「フィルは確かにZI7にいましたが
今は違います そうですよね?」
「ティナ…
ええ、そうですよ
私の忠誠心はlexxにありますからね」
私が知っていたからか
オリヴァーとエリオットは
フィルを問いただすこと無く
…信じて貰えたようだ
ここで仲間割れされても困る…
「そーかよ…
なら、さっさとホールを助けんぞ
四方向ならそれぞれ1人ずつだな」
私たちはそれぞれ別の入り口から
ガラス迷路に入る
ガラスを破壊する案も出たけれど
思った以上に硬く分厚いかった
ガラスの透明度は高く
目の前にホールさんがいるというのに
ガラス1枚が邪魔をして…
という感じだ
しかもこの中で1人しか
ホールさんに辿り着けない
ましてやZI7のイビルの事
このまま私たちが無傷で終える
…なんて事はないだろう
…と、その時
今までガラスで隔たれていた
ホールさんとの壁が無くなって…
「…! ホールさん…!」
中央に辿り着けたのは私だった