第10章 異世界紳士と秘密情報
資料にそんな情報は無かった
ここの国がZI7と手を組んでいるなんて
「…まずいですね
ZI7なら解析されそうです…
どうにかして取り返さなければ…
ティナ、貴女1人だけでもここから逃げるのです」
「何言ってるんですかフィル
私も取り返すのに加勢しますよ」
「…何を言っても聞かなそうですね
ティナ自身の命を最優先でお願いしますよ」
…ん? これは…
素早く後ろに振り返り銃を構える
ーーーバン!
撃ったのは前を向いていたフィル
前に敵がいるという事
そして、背後から感じた人の気配
「これは少し面倒ですねティナ
挟まれましたよ」
数秒、沈黙になる…
例えるなら…… 嵐の前の静けさ
…いた!
ーーーバン!
私の銃声が沈黙を破ると同時に
多くの敵が挟みうちにしてきた
そして、鳴り止まない銃声
バンバンバンバンバンバン…
数が多すぎる…
1人、また1人と確実に倒していくも
こっちは2人相手は多勢
『侵入者、2名発見
170cm前後、青い髪の男
180cm前後、銀色長髪の男』
無線から聴こえる私たちの特徴
『すぐに確保しろ』
「ティナ、無線を聞きましたね?
これから前方を突破しますいいですね?」
「わかりました走って突破しましょう」
私は撃つのをやめて後ろに振り返る
そして、フィルと同時に走り出す
前方、後方からの銃弾を避けながら
神経を集中させる
……今だ!
至近距離で素早く相手を撃つ
1発で仕留めなければ私が殺られてしまう
力を失った人間がバタバタと倒れていく
『今、ZI7がA練屋上に到着した
USBはそちらに受け渡す』
なんだって…!
「フィル…!」
「分かってますよ
あと少しで突破できますので
それから急いでA練に行きましょう」
そして、私たちは敵を大方殺した所で
A練に向かう
フィルも私も怪我はしていないが
服や肌に付いた返り血の量が尋常じゃない
匂いで居場所を突き止められそうだな…
ここからA練はそう遠くない
A練は5階建てだから
このままいけば、最短で屋上に行けるはずだ
『侵入者発見、A練方向に逃走中』
気づかれたようで
後方から何人かの足音が聞こえる
しかし、今構っている時間はない
早くUSBメモリを取り返さないと…