第9章 非化学的に証明
数年前からイビルの様子がおかしいと気づいていた
「何があったんだイビル
それは私たちに話せてもらえるか?」
かつての輝かしい笑顔は無い
文明学者として名を馳せているのに
今は全然楽しくなさそうだ
「まぁ、2人なら言ってもいいかな
ZI7に入ることにしたんです…」
「ああ〜ZI7ね
ちょ〜っとだけやり方が野蛮だけどねあそこ」
ZI7もなかなかの強豪な秘密機関だ
でも909やlexxとそう変わらない
「2人は今、機関のトップにいるんですよね…?」
俺はlexxに入ってから1年目でリーダーを務め
異例のスピード出世で
最年少にして総司令官の地位になった
何度も言う、俺は興味はない
アステルがそうしようと言ったからそうしただけ
「ああ、そうだ
私は909のアステル最高官
隣はlexxのクロス総司令官だ」
「なら僕も2人みたいにそうならなきゃ…」
「ZI7って入るのにも狭き門なのに
入ってからもかなり厳しいって聞くし〜
そこでトップになったらエグいね〜」
不気味な笑いをするイビル
俺はそれが引っかかった
「そうか、なら頑張れ
私たち3人が…」
「イビル、今すぐZI7辞めな〜」
わかる… 俺にはなんとなくわかる…
今のイビルは正気じゃない
世界の文明を知り尽くしたからこそ
世界を変えてしまう何かを知ってしまっている
「俺〜、世界の秩序保ちたいから
興味なかった総司令官にもなったし〜」
イビルが驚いたままこちらを見る
まさか…
「それは私も同じだ
イビルどうしたんだ様子がおかしいぞ」
「世界を滅ぼす…」
ん…? 今なんて…
「世界を滅ぼす文明を見つけたんです…
やっと… 苦労しました…」
!!!
アステルを目を合わせる
今のイビルは危険だ
本気で世界を滅ぼす気だ
「イビルそんな事は辞めるんだ
私は世界の秩序が保たれるのを実現するためにこうなった
そしてクロスにもそうさせた」
「そんな事…?
僕にとっては大事なことなんだアステル」
狂気だ…
「イビル… 俺本気で毒盛って殺すよ」
「クロスが毒を盛る前に世界を滅ぼせばいい」
駄目だ…
「僕は2人よりも偉大な人になる
年下だけど… それさえを覆す」
ーーー
イビルはそれを最後に会わなくなった