第4章 恋愛初心者【砂川誠】(俺物語!!)前編
砂川side
カフェへの道を歩いているとき、
俺はずっとさんの「友達」に心を痛めていた。
俺は、さんと「友達以上」になりたい。
すでに、俺の心は彼女に奪われていた。
初めて、女子を可愛いと思った。
初めて、女子に欲をもった。
俺の心は、彼女でいっぱいなんだ。
「あ、ついたよ!」
そんな俺の気持ちも知らず、
さんはカフェの入り口を差す。
砂川「じゃ、入ろ。」
そう言って入ると、中はとても静かで、落ち着ける空間だった。
店員「お客様は、何名ですか?」
砂川「あ、二人です。」
店員「畏まりました。」
店員は俺たちを一番端の席に座らせた。
「ここ、静かで落ち着けるね。」
彼女はわくわくした表情でメニューを見る。
「んん、どうしよ…。迷うな…。」
彼女は一生懸命メニューを見ていた。
俺は、無難にコーヒーを選んだ。
「砂川君もう決まった?」
砂川「まぁね。さんは、何で迷ってるの?」
俺がそういうと、
彼女は身を乗り出して俺にメニューを近付け、
自分の顔をも近付けた。
「えと、このショートケーキと抹茶のロールケーキで迷ってて…。」
彼女は懸命に選ぼうとしているが、
俺の心はあわただしくなっていた。
彼女のカッターシャツからは、
程よい柔軟剤の香り。
俺の頭はパニックを起こしていた。