第3章 《裏》大好き。【チャールズ・グレイ】(黒執事)
「なっ…!?」
急な出来事に素早く対応することが出来ず、
周りの人やグレイさんも唖然としていた。
私は、まず逃げなければと思い、
セバスチャン様の腕を取り払おうと手を振り落とすもー…。
セバスチャン「この腕も、とても綺麗なラインを描いていますね。理想的な形です。」
セバスチャン様はクスリと笑いながら、私の腕を片手で止めていた。
さすが、ファントムハイヴ伯爵の執事様…。
「では、こちらはー…?」
そう言って私は無礼ではあるが、
回し蹴りをした。
だがー…。
セバスチャン「ほぉ…。今日は清潔な白なのですね。」
足を持ち上げられ、危うくバランスを崩す所だった。
「し…ろ…?」
白とは…?
清潔…?
ま、まさか…!!
私はセバスチャン様の手を振り払い、
すぐにスカートを下げた。
セバスチャン「おや、気の鋭い方ですね。」
シエル「もうやめろ、セバスチャン。」
セバスチャン「これは残念。さん、グレイさんを嫌になったら、いつでも私の所へ」
そうにこやかに笑った。
「セバスチャン様っ…!!なんで…!?」
私は驚いていた。
私とグレイさんが恋仲だなんて、
一言もいってない。
セバスチャン「彼を見れば、分かります。」
そう言ってちらりと横を見ると、
グレイさん愛用の細長い剣先が、
私の首を通りすぎてセバスチャン様の首筋にあったからだ。
グレイ「もう二度と、僕の女に触るなよ…。」
グレイさんはそう言って剣をしまうと、私の腕をひっぱって屋敷へと戻った。