第19章 ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス 〜2〜
「止めろ。樋口。今は、黒雪の方が心配だ。あと、お前では勝てぬ。」
芥川くんは黒雪を羅生門の中に隠して樋口を止める。
「芥川先輩!でも!」
「太宰さん、白雪さん。今回は退きましょう______しかし、人虎の首は必ず僕らマフィアが頂く。」
私は疑問を浮かべる。
「なぜ?」
「簡単な事。その人虎には____闇市で七十億の懸賞金が懸かっている。裏会社を牛耳って余りある額だ。」
「へえ!それは景気の良い話だね。」
太宰さん呑気……だけど
「探偵社と戦争するのならば……」
「「やってみ給え/よ。_______やれるものなら。」」
私と太宰さんは、不敵に芥川くんに笑う。
すると、樋口が言う。
「零細探偵社ごときが!我らはこの町の暗部そのもの!傘下の団体企業は数十を数え、この町の政治・経済の悉くに根を張る!たかだか十数人の探偵社ごとき____三日と待たずに事務所ごと灰と消える!我らに逆らって生き残った者などいないのだぞ!」
なんだそんなことか……