第13章 或る爆弾
「やあ 良く来たね。」
ニコニコしている太宰さん。
「「…………」」
沈黙する僕と白雪さん。
そりゃ当たり前だ。太宰さんは土管の中に入って、足と頭を出しているのだから。
何しているんだ?この人は……
「早速だが助けて」
と助けを求める太宰さん。
「え……?何ですか、これ?」
と白雪さんが聞く。
「何だと思うね?」
と質問を返されたので
「「朝の幻覚?」」
「違う。」
きっぱりと云う太宰さん。
太宰さんがある自殺方法をして早速試したが、一向に死なないので、助けてほしいらしい。
「え?死ねば?自殺でしょ?」
と白雪さんが突っ込むと
「苦しいのは嫌だ。当然だろう。」
と大人顔で云う太宰さん。
白雪さんは、はあとため息をつくと、絶対女の子の足の力ではないと思うほどに土管を蹴る。
土管は横に倒れる。
「いて」
太宰さんは、小さな声で云う。
いや、もっと痛そうな声で言ってよ。