第9章 虎探し
「ええ。やっぱりあれ嘘なんですね。」
と敦くんは苦笑。
しかし、すぐに話を戻す敦くん。
「そ…それで探偵の三人の今日のお仕事は?」
国木田さんは、質問に気づいて答える。
「虎探し、だ。」
「……虎探し?」
太宰さんが後を続ける。
「近頃、街を荒らしている『人食い虎』だよ。倉庫を荒らしたり畑の作物を食ったり好き放題さ。」
私もその後を続ける。
「最近この近くで目撃されたらしいからーー」
『来てみた』と続けようとその時敦くんは椅子を転かして、床に座る。
何か、慌てているようだ。
そして
「ぼ、ぼぼ、僕はこれで失礼します。」
ん?
私は敦くんを止めようとしたが国木田さんが敦くんの捕まえる。
「待て。」
しゃかしゃかしゃか
敦くんは振り返り
「む、無理だ!奴ーー奴に人が敵うわけない!」
え?敦くん何でそのこと知ってるの?
国木田さんもそのことに気づいたようだ。