第9章 虎探し
「五月蝿い。」
国木田さんは少し落ち着いて
「白雪、それは本当に書いていない。あと、出費計画の頁にも『俺の金で小僧が茶漬けをしこたま食う』とも書いていない。」
「へーそうだったんですね。それも書いていると思っちゃいました。」
「んぐむぬ?」
また同時。
「だから仕事だ!!俺と太宰と白雪は軍警察の依頼で猛獣退治をーー」
「君達なんで会話できてるの?」
太宰さんナイス突っ込み。
数分後
「はー食った!」
敦くんは、もう茶漬けは十年は見たくない!
と一服。
国木田さんはお前…と云って怒っているようだ。
「いや、ほんっとーにたすかりました!」
敦くんはどうやら太宰さんに云っているようだ。
「孤児院をおいだされて横浜に出てきてから食べるものも寝るところもなく。……あわや斃死かと」
「敦くんは施設の出なの?」
私が敦くんに聞くと敦くんは目線を少し下ろして
「出というか……追い出されたのです。……経営不振だとか事業縮小だとかで……」
なんとも