• テキストサイズ

文スト【白雪姫と黒雪姫】

第9章 虎探し




男の子は、キョトンとした声で、へ?と云う。

そして、聞けよ!と国木田さんが云っても聞こうとしない二人……いや一人か。

「君、名前は?」
「中島……敦ですけど。」

太宰さんは、歩く。私はその後を追いかける男の子より先に歩く。

「白雪?まあ。ついて来たまえ、敦くん。何が食べたい?」

太宰さんが敦くんに聞く。

「はあ……あの……」

私は、次の瞬間笑ってしまった。

「茶漬けが食べたいです。」

「ぷっ
はっはっは!餓死寸前の少年が茶漬けを所望か!」
「君、餓死寸前だったんだね。それはなんでもいいから食べたいよね。」

私と太宰さんは国木田さんの方を向いて

「「良いよ。国木田君/さんに三十杯ぐらい奢らせよう」」
「俺の金で勝手に太っ腹になるな太宰と白雪!」

敦くんは何か気づいたように

「太宰?白雪?」

「ああ、私の名前だよ。」

太宰さんは敦くんに振り返って

「太宰……太宰治だ。」

続いて私は、

「篠葉白雪。よろしく。」

と云って敦くんに握手する。


私たちは、横浜で一番美味しい茶漬けがある店に行った。




/ 173ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp