第8章 心配
着いたときには、既に白い髪の女の人が手当てをしていた。
「え?」
私は、目を疑った。
その女性は、まるで私と似ている人であった。
中原さんは、チッと舌打ちをする。
「武装探偵社だな。」
武装探偵社。
聞いたことがある。
私たちが所属しているポートマフィアの敵の一つ。
だが、なぜ私とよく似た人が……?
女の人は、怪我をした子供の頭を撫でていた。
そのときに笑顔を作って安心させるように、その子供の母親に送る。
私は、なぜか、心苦しくなった。
あなたは一体誰なの?
なんで私は、あなたの笑顔で心が苦しくなるの?
そんな私を見た中原さんは、
手前大丈夫か?
と聞いてすぐにここから抜け出すように歩いていく。
「中原さん、」
「どうした?」
私は、中原さんに聞いた。
「私の他に、私によく似た人っていたんですか?」