第8章 心配
中原さんならすぐに答えてくれると思った。
しかし、その期待は全くなかった。
「……」
中原さんは、押し黙ったままであった。
「いたんですか?」
「……ああ。」
私は、目を見開く。
「手前の双子の姉がいたんだ。」
そんなのオボエテナイ。
嘘でしょ?
嘘だよね?
ねえ誰か嘘って言ってよ?
私はずっと一人だったじゃん。
あの時も
芥川くんといた時も
ずっと一人で生きていたじゃん?
「お、おい!!」
私は、また頭が痛くなった。
中原さんは、すぐに私を抱く。
「ごめんなさい……中原さん……。」
「手前は一旦、今日のこと全部忘れておけ。」
私は、だんだんと瞼を下ろしていく。
「分かりました、中也。」
私、ちゃんと中也との約束守ったよ?
私は、眠りについた。