第38章 過去
あ……駄目だ…。
「黒雪!?」
「おい!!?」
私は、何が何やらわからずまた目を閉じた。
(第三者目線)
黒雪が寝たことを確認した後、中也は話しかける。
「本当にいいのか?」
「うん。そっちの方が、私達にとっても黒雪にとってもメリットにしかならないから。」
白雪は、『七人ノ小人』で黒雪の記憶をすり替えたのだ。
「本当は、中也が助けたのにね〜♩」
「青鯖、喧嘩売ってんのか?」
「太宰さんは、少し黙ってもらえませんか。」
二人が太宰を睨む。
「でもまあ、あとは芥川君だけだね。」
「はい。」
太宰と白雪は、芥川のところへ向かう。
残った中也は黒雪の手を握った。
「悪い…黒雪。」
そう呟いて部屋から出て行った。
ーーーーーーー(黒雪目線)
「……そして、芥川くんも白雪によって記憶をすり替えたんです。」
「で、でも…なぜ思い出せたんですか!?」
樋口さんは、声を上げる。
「……それは、……芥川くんも太宰さんによって白雪の能力を解除された。だから、最近私と芥川くんの関係は、昔のようになってきてるんです。」
人虎捕獲に行かせなかったのは、その理由と心配だろう。