第37章 番外編2【海&思い】
(太宰目線)
私は、不意に白雪ちゃんの手を握った。
しかし、白雪ちゃんには面白半分だとしか思われていなかった。
私は、顔を外に向ける。
やはり、小さな部下はこんな上司を好きにはならないのだね。
私は、白雪ちゃんのことが好きであった。
白雪ちゃんに告白しても、他の女性といる方が太宰さんは似合ってると言いそうだ。
私は、ある視線に気づいた。
「どうしたんだい?」
「いや。本題に入ってもらいたいんですが。」
ああ。すっかり忘れていたよ。
今回の件はもう解決に等しい。
だけど……
「敦君に多額なお金で捕まえてもらおうとしたのは、“組合”という処だった。」
「あー。話が見えてきたね。」
やはり、白雪ちゃんは頭がいい。
すぐに理解できた。だけど、あのことを話せばきっと混乱するだろう。
私と白雪ちゃんは、電車に降りた。