第37章 番外編2【海&思い】
(白雪目線)
私と太宰さんは、次の日。
海に向かう電車に乗っていた。
「でも、なんで海?」
「そっちの方が、楽しめるでしょ?」
太宰さんが、面白半分に私の手を握る。
「……」
「おや。何も言わないんだね。」
太宰さんは、少しショックを受けたようだ。
まあ、小さい(12歳頃)時からよく手を繋いでいたからな。
私が、太宰さんの手だったから黒雪は中也の手だったけど……(笑)
「え?今頃ですか?私は、太宰さんが本命ではないこと知っていますから、そんなに驚かなくてもいいですよ。」
「ふーん。」
と太宰さんが、顔を外に向けた。
?
私は、その横顔が美しいと思った。
好きな人に握られているのにやっぱり同様できないのね、私……。
小さい時から、太宰さんが憧れだった私は、今や“好き”と云う感情になっていた。
すると、太宰さんが私の目線に気づいた。
「?どうしたんだい?」
「いや、太宰さんがさっさと本題に入ってもらいたいんですが……」
私は、苦笑。
忘れていたなこれ、絶対。
そう確信した。