第35章 行方不明
中也は、太宰さんを馬鹿にする。
が、
太宰さんは笑った。
「何がおかしい。」
中也が怪訝な顔つきで云う。
「いいことを教えよう。明日、『五大幹部会』がある。」
え?
嘘でしょ?
だってあれは……
「「疾っくに連絡が……」」
「理由は私たちが先日組織上層部にある手紙を送ったからだ。で、予言するんだけど……」
太宰さんは不敵に嗤った。
「君らは私を殺さない。どころか、懸賞金の払い主に関する情報の在処を私に教えたうえで、この部屋を出て行く。そして、“中也”だけが、内股歩きのお嬢様口調でね。」
「「はあ!?」」
私と中也は驚く。
何を云ってるんだ!?太宰さんは!!
「私の予言は必ず中る。知ってると思うけど。」
太宰さんは、ドヤ顔をする。
「この……状況から?」
「巫山戯る……手紙?」
中也が何かに引っかかった。
太宰さんは話す。
「手紙の内容はこうだ。『太宰、死歿せしむる時、汝らの凡る秘匿公にならん。』
何を云ってる……は!?
「太宰さん……」
中也も気づいた。そして、太宰さんから離れる。