第35章 行方不明
太宰さんは、左手で首をコキっと鳴らし、云う。
「元幹部で裏切り者の私を捕縛した。だけど上層部に『太宰が死んだら組織の秘密がぜんぶバラされるよ。』っていう手紙までついてきた。」
もし、その秘密が検事局に渡れば……
「マフィア幹部全員百回は死刑に出来るよね。」
!?
「!?黒雪!?」
「違う!!私じゃない!」
私と中也は、声がした方に顔を向ける。
「中也、黒雪。久しぶり。あと、太宰さんもね。」
そこには、クスクス笑う白雪がいた。
「「白雪!?」」
「っていう事だよ。白雪ちゃん、遅かったよ。」
「へー。さっきまで、敦くん達といたんだよ。」
白雪は、コツコツと足をならせこっちにやって来た。