第35章 行方不明
ーマフィアの地下
太宰は、鏡花によりマフィアで拘束されていた。
「♩♩ ♫ ♫ ふんふふーん♪」
太宰は、歌っていた。
手首を拘束する鎖を鳴らせながら……
その時、地下の入り口を繋ぐ階段の上に芥川がいた。
「……」
芥川は、何か気にくわないらしく、不機嫌であった。
そして、『羅生門』で、太宰の顔近くの壁に攻撃するが、
「たらーったったー♪」
太宰は、何も気にせず歌い続けていた。
そして、芥川は次に太宰の首を攻撃。
ドスッ
太宰は、ニヤリと笑う。
「……ああ。君、いたの。」
芥川の『羅生門』は、太宰の『人間失格』により無効化になって塵と化す。
「此処に繋がれた者が如何な末路を辿るか―――知らぬ貴方では、ない筈だが。」
と芥川が云うと、太宰が懐かしそうに周りを見る。