第32章 人を殺して死ねよとて
「寝すぎちまったよ。」
「与謝野さん。」
与謝野さんは、さっきまで寝ていたようだ。
「ああ。新入りの敦だね。どっか怪我してないかい?」
ん?どこもしてないよな。
「ええ、大丈夫です。」
「ちぇっ」
ん?ちぇっって云ったよね、今。
与謝野さんは、辺りを見渡す。
「よし、アンタ。荷持をしてくれないかい?」
「え?」
何故?
「アンタしか居ないようだねエ。」
「え!?」
僕は、後ろを振り向く。そこには誰の姿もなかった。
もしかして、皆さんが何かに反応したのってこの事!?
結局、僕は付き合わされました。
ー電車の中
敵の御出ましだ。
「妾は前。アンタは後部だ。」
「もし、敵がいたら?」
与謝野さんは、ニコッと笑って
「ぶっ殺せ!」
そして、一同に駆け出す。