第31章 白雪さんの家
「でも、敦くん。駄目だよ〜。」
「え?」
僕は思わず本日3回目の変な声を出す。
「自分の所為だと思って、探偵社を抜けるなんて。」
「そうですね……。」
やっぱり白雪さんはなんでも知っている乱歩さんのような気がしてきた。
まあ、26歳だと思えない乱歩さんよりは、頼りになるのだけど……。
「その様子だと、乱歩さんよりも頼りになりそうだなって考えてるでしょ?」
「 僕って顔によく出ているんですか!?」
「え?うん。」
さっぱりと云ってお茶を飲む白雪さん。
そこまで、さっぱりと言わないで……
「あっ。そうでした。与謝野さんが調子はどうかって聞いていたのを思い出しました。」
「与謝野さんが?んー。大丈夫ですよって伝えといてくれるかな?」
「分かりました。あと、」
僕は、国木田さんから渡された手紙を取り出す。