第31章 白雪さんの家
「うわあ。」
本日2回目の変な声。
「うふふ。私、白い花が好きだから白しかないの。」
そう。白雪さんが云う通り、庭には、白いツツジに白いユリなどの白い花しか埋めていない。
「まるで雪みたいですね……」
「そう言ってもらえると嬉しいわ。あっ。この部屋よ。」
白雪さんは、部屋の扉を開ける。
「え?」
僕は、目を疑う。
「ふふ。全てが、洋室だと落ち着かないから此処だけ特別なの。」
「和室なんですね。」
その部屋は、立派な和室であった。
畳の香り。生け花。掛け軸。
まるで、此処だけが別の世界のようであった。
「どうぞ。此処に座っていて。」
と白雪さんは、座布団を引く。
白雪さんは、飲み物を持って来ると言って部屋から出て行った。