第10章 以心伝心【イシンデンシン】
それからのは、ほんの時折ではあったが大人びた仕草を見せる様になり皆を戸惑わせた。
大人びたと言っても本来の歳相応なだけであるが、それでもこれ迄を幼子としか見ていなかった男達を惑わせるには充分であった。
家康が言うには、『身体同様に心も癒されて本来の自分を受け入れ始めたのではないか』と。
勿論それは喜ばしい事であるのは間違い無いが、が過去の全てを取り戻し信玄やあの男を想った時、俺の手を離れて仕舞うのでは…と醜い不安が湧き上がる。
だがそれは俺の力ではどうにも出来ぬ事。
俺は唯…そうならぬ様、がこの先も俺と共に在りたいと思う様、全身全霊で貴様を愛で続けて行くだけだ。
日中は政宗と遠乗りに出掛けたり、三成と書庫に籠って読書をする。
偶に燥ぎ過ぎて秀吉に叱られ、光秀には頻繁にからかわれて頬を膨らませ拗ねる。
そしてどうやら最近は、薬草について家康から学んでいる様だ。
そんな相変わらずの愛らしい姿を見せながら、夜のは日に日に貪欲になって行った。
女である悦びを知ってから、それを求める様と日中の様子との差異が益々俺の心を縛り付けた。
俺から与えられる悦楽に随喜の涙を流し、啼き、笑い、幾度も身悶え果てる。
それがまた俺を際限無く昂ぶらせ、に触れる事を止められない。