第9章 屋烏之愛【オクウーノーアイ】
俺は手早く夜着を脱ぎ捨て、再びを押し倒す。
その細い両手首を掴んで頭上で固定してから、もう片方の手で開脚させた。
先程より潤いが増した秘部に指を突き立て、ゆっくりと埋め込んで行く。
何の抵抗も無く指が飲み込まれた事に一つ安堵の息を漏らし、俺はゆるゆるとの中を擽り始める。
「貴様の悦い所は此所か?
それとも……此所か?
……此所はどうだ?」
僅かな反応も見逃さぬ様、の顔をじっと見つめてじっくりと弄る。
そうして見れば指先が触れる箇所に依っての表情が変わる事に気が付いた。
………何の事は無い。
何も難しい事は無いのだ。
俺が只、をずっと見ていてやれば良いだけの話であったのだ。
そしてある一点を押し込んだ時、の身体が大きく弾けた。
「ふん………此所、なのだな?」
後はその一点を只管刺激し続ければ、は眉を顰め口をぱくぱくさせながら身悶えている。
「良いのだ、。
何も悪い事では無い。
感じるままに……正直になれば良い。」
直後、の全身が硬直し、中に在る俺の指を食い千切らんばかりに締め上げた。
は未通女では無い。
そうであるのに、悦楽を与えられた経験が無いのだ。
全くもって、不憫極まり無い。
であるからなのか、動揺と怯えが色濃く浮き上がったの目が俺を真っ直ぐに見上げる。
そんなを安心させる為、俺は微笑みながら告げた。
「これが……これこそが貴様に与えたかった物だ。
俺の手で与えられた事が誇らしくて堪らぬわ。」
俺に釣られても微笑む。
その可憐な笑顔、上気した桜色の頬、縋る様に俺の手を握る小さな手、しっとりと汗ばんだ身体………
何もかもが愛おしい。
貴様を初めて貫く男に、何故俺が選ばれなかったのかと天を呪って仕舞う程に…。
「さあ、……
貴様が感じた悦びを、俺にも与えてくれぬか?」