第9章 屋烏之愛【オクウーノーアイ】
を連れて城に戻った後、直ぐに夕餉の時刻になる。
その日は全員が城に集い、政宗自慢の料理を食する事になっていた。
当然もその場に居たが、つい先程団子を鱈腹食った所為で流石に箸が進まないらしい。
その様子を見た秀吉に理由を問われ、城下でに団子を与えた事を告げると俺が秀吉と政宗に叱られる羽目になった。
『中途半端な時間に甘味を食させるのは今後一切お控え下さい』…と。
そんな俺を見て光秀は笑いを噛み殺し、三成に至っては「お団子は美味しかったですか?」とと微笑み合って相変わらずの空気の読め無さを発揮した。
そして家康は全員を見渡し、呆れた様に大きな溜息を吐く。
何故俺が家臣に叱られねば成らぬのかと憮然としたが、の身体を気遣っての行動だと思えば腹も立たぬから不思議だ。
に目を向けて見れば俺に申し訳無いと思ったのか、慌てて料理を口に詰め込んでいた。
「、無理をする必要は無い。」
そう声を掛けてやると『平気だ』と言わんばかりに、もぐもぐと咀嚼する姿が何ともいじらしい。
本当に貴様は……どれ程俺の心を震わせれば気が済むのか?